映画版 東京タワー


年度: 2004
国: 日本
公開日: 2005/1/15
冷静と情熱のあいだ」の作家・江國香織の原作を映画化した純愛ドラマ。主演は黒木瞳岡田准一

 江國香織ってほんとにうまいと思う、ストーリーが明快で・・・先が読めるんだね、なんか安心して読める・・・女性の読者ばっかなんだろうな、男には書けないね、きっと。
 これはあくまで本当に僕の個人的な意見ですが、うまいんだけれど、「きらきらひかる」もつまんなかった。辻仁成の小説くらいつまんなかった。
 仁成ってほんと若い時は、独りよがりのナルがかっこ良くて憧れたんだけれど、いい年してそれじゃダメでしょう、木村拓也くらい独りよがり突っ走れば、コスプレドラマの主役(外見は変わっても演じる役はどれもステロ・タイプ)だなんだかんだと言われながらも、TVで生き残っていられるんです。
 仁成はもうその生き方がかっこ良すぎてかなり嫉妬入ってるかな、
なんせ、ECHOESってけっこう売れたバンドでミュージシャンやって、小説家に転身したと思ったらデビュー作「ピアニッシモ」ですばる文学賞、「海峡の光」で直木賞、「ZOO〜愛をください」「冷静と情熱のあいだ」で映画、TVの脚本書いたと思ったら果歩と離婚してミポリンと結婚、今はパリ暮らし・・・。男冥利に尽きます、こんな人生w。
話がまたまた逸れてしまいましたが、「冷静と情熱のあいだ」は江國と共著なので。

 ただ、映画を見終わって確かに面白いんです。でもねー、男の僕としてはですね、こんな日本全国大半の平凡な主婦の願望を綺麗な影像(イケメンの男と美しい女)で表現してみました、なんて恥ずかしげもなく見せられてもですね、
 ラストで山下達郎の歌流れてきてちよっと失笑してしまったのも無理ないと思うわけです。
最初はノラ・ジョーンズで始まってホホーなんて思わせておいて・・・途中はマーラーで、最後が
達郎って、達郎の大フアンの僕でもなんか納得いかないなあ。これってタイアップ見え見えでしょう。

 昨今のハリウッド超大作の馬鹿馬鹿しさ・・・とうとうウエルズの古典的SF「宇宙戦争」まで引っ張り出してきて・・・リメイクや続編に飽きたって言ってるのにスピルバーグ今度は「レイダーズ4」だって・・・もう完全にネタ切れですね、ほんと・・・観客数激減ってYAHOOのトピックスの記事読みましたか・・・に比べたら、良くできた映画だとは思うんですが・・・。
 これって、どっちの視点が主役なんだろ、男の子二人の回想なんだろうか、それとも熟年二人の思い入れなんだろうか、なんだか両方とも中途半端な感じがして、セレブな熟女と金持ちのバカ息子二人の幼稚な恋ってところですか・・・にしても、岡田も松潤も黒木も寺島も上手いなあ、感情移入しちゃうんだろうなあ、女の人ってこういう映画に・・・。

 いや、大衆娯楽小説としてはもう最高に面白いとは思います、映画もね。